コンコン
「瞬――♪」
「……奈央」
「っ、来たよ!」
ねぇ、瞬。
どうして…
そんなにも悲しい顔をしたの?
どうして悲しい顔をしているのに……
無理して、微笑んでいるの?

「奈央、ギュ―ってして?」
あたしはギュ――っと瞬を抱きしめた。
なぜか、瞬がどこかに行きそうで怖くて…、
強く、強く…抱きしめた。
そして、瞬はあたしにキスをした。
唇が離れたとき……

「奈央……別れよう」


時間が……
止まった気がした──…。