「奈央さんっ」
「なに?矢吹くん」
彼は…奈央が好きなんだと思う。
「……はぁ」
好きな人には好きな人がいるって、結構辛い。
諦められたら、いいのに。
告ってキッパリ振られる…っていう手もあるけど。
―――怖い。
「ダメだなぁ、私」
机に突っ伏していると…
「なにがっすか?」
机の向こう側からひょこっと顔をだした矢吹くん。
バッと顔をあげる。
「っ//な、なんでも…ないからっ」
心臓に悪すぎっ!!
「なんか悩みあるなら、いつでも聞きますから!あ、これさっき新作だって少しもらったんす!よかったら、どうぞ!」
そう言って彼は私に新作ケーキを渡した。
「えっ??」
「じゃぁ、俺仕事戻りますねっ」
「あ、ありがとう…」
彼は休憩室を出ていった。