瞬がいなくなることを想像するだけで、涙がこみ上げる。
「ダメダメ!消えろ〜ネガティブ思考!!」
あたしは顔をパチンと叩く。
瞬に、なにかしてあがれることないかなぁ…?
あ、そうだ!
手作りのお守り、作ってみようかな。
帰り、お店寄っていこう!
そんなことを考えていると、瞬が戻ってきた。
「お帰り、瞬」
「ただいま、奈央」
あたしたちはしばらく話していた。
「あ、奈央。もう結構暗くなってきたし帰ったほうがいいんじゃね?」
「え、でも面会時間まだ平気だよ…?」
「俺が心配なんだよ!」
「…分ったよ。明日は仕事ある日だから、ちょっと来れるの遅くなっちゃうから」
「ん。頑張れよ。おやすみ、奈央」
「おやすみ、瞬」
あたしはキスをし、病室を出た。
今日の出来事を、忘れないように…あたしの記憶に、ちゃんと残す。

瞬との日々は、絶対に……
忘れない。