二年生になった春。 音楽室の掃除をしていた時のこと。 ふと触れたピアノから音が鳴った。 ────何年ぶりだろう。 懐かしく聞こえた音色を聴いた途端 心がグッと締め付けられた。 ピアノを弾くと イライラしてても 落ち込んでても 何があっても落ち着く。 やっぱり俺には ピアノは無くてはならない存在。 先生にお願いしてみたら、朝の音楽室使用の許可を出してくれたから それから毎朝音楽室でピアノを弾き始めた。