「そうだ!私を家の前まで送ってよ。」

思いついたかのように女の子は目を輝かせる。


その無邪気な笑顔は、俺にしてみれば悪魔の微笑みにしか見えなかった。


なんて迷惑な提案だろう。


思いっきり嫌そうな顔をしてみる。


けれど、女の子は見て見ぬふりをして俺の腕を引く。



そのまま女の子に誘導されて家の前に辿りつく。


近くで見るとお金おかけていることがよく分かる。

柵の向こうには暗がりの中でも色とりどりに咲き乱れた花がきれいに並んでいる。


家も何かの彫刻みたいなものが施されていて如何にもって感じ。


まぁ、その前に隣の家が物置みたいに小さく見えるくらい、大きい敷地に何も言えなくなる。



呆然と立ち尽くして家を眺める。