そんな願いも、ある人物が現れた瞬間に崩れ去るんだけどね


「あーかーりーっっ」

「・・・・・・」


体育館の奥、さっきまで試合をしていた颯人が私に向けて手を振っている

それどころか、私達の方向へと歩いてきたではないか

ど、どうしよう


「ゆりあ、みーちゃん」

「ん?なに」


未だ私とみーちゃんを見て微笑ましそうな顔をしている百合亜

当のみーちゃんはそんな百合亜にも颯人にも気づかず、呑気に私に抱きついている


ちょ、ちょっと。それどころじゃないよぅ!

さっきの声で普通は気づくよね


「は、颯人がっ「紅鈴ーっ会いたかったー・・・・・・あ″?花崎ぃ?」


彼女達に告げようとしたところ、一秒早く颯人がこちらに辿りついてしまった