『穂束さん、俺と約束あったの覚えてる?』

『ちょ、達貴!邪魔しないでよ!!アンタ颯人の友達でしょ?!』

『私ら穂束さんに用があるの』


ああ、来た。またこのパターンだ


どうせ今回も潔くこの人は諦め─────











『用?はぁ?リンチするのが用事かよ性悪女』


一瞬にして放たれる棘。その威力は端から見ている私には、かなりの効果があると見える。む、惨い


うわ、この人


『は、はぁ!??』

『化粧厚塗りするババアが調子乗んなキモい。思い上がってんじゃねぇメス豚。んなのだからテメェらは所詮、遊び相手にしかなれねーんだよ』


もしかしてもしかしなくても、


並べられていく黒々とした悪意のある単語たちが、彼女たちを襲う光景。そう、私は前に見たことがあるのだ


『同じ舞台にも立てない根性ナシが一々俺に話しかけんな。穢れる』


この人、庵に似てる


瞬間私は、親戚ですかと聞きたくなった


いや、だってこの口の悪さは間違いなく庵だ 。絶妙なまでに相手の傷を抉る姿なんて、見間違えるくらいの凶悪さ

彼の髪と庵の髪の毛の色が違うので、かろうじて見分けられるということか。な、なんて複雑な