「百合亜!先に帰ってて」
「気をつけなさいよ。あんまり遅くなるようだったら添川くんでも呼びなさい。危ないから」
「うん」
苦笑いをして、いつも通り過保護な彼女に別れを告げる
颯人にさよならと言った、あの日から。ずっとずっと、私の周りは変化していっているようで、止まっていた時間が回り始めて、少しだけ戸惑うのだ
いや、全然少しだけって部類に入って無いのは分かってるよ
ここ最近の私はおかしいって自覚しているから。授業中ボーっとして、いつの間にか庵を目で追って、人と一緒にいるのがとても楽しくて、それから、それから
――――――颯人のことを考えないで済む時間が、とても増えたから
だからふとした時にアイツを思い出して、苦虫を潰すことになる
まだまだ私とアイツは変わっていない。お互いに、前を進もうとしていないから
まだ、颯人を振り払えない
その時間が増えるたびに幸せを感じて、そして感じた分だけ、私はどん底に落ちていく
何だって言うのだろう。私に、颯人を忘れるなって言いたいの?

