のどが詰まって、声が出ない


「―――――――っ、」


言いたいこと、言えない

どうしよう。言い終わらない


「香恋先輩、本当にありがとうございました!」

「え、え?」

「これからも、よろしくお願いします」

「あ、・・・・うん?」


呆けた顔をしている香恋さんに、かなり端折って伝えることにした

不器用な私にはこんなにも嬉しい気持ち、どうやって伝えたらいいか分からないもの

今にも泣きそうになるのを堪えて、にこりと笑った


「・・・・・私、最近網走よりあかりが好きになってきてるわ」

「私も好きです。でも網走さんが可哀想です」

「ふふ、嬉しい」


彼女は多分、卒業式に出られない

出られたとしても、最後まで残ることは出来ないだろう

なんてったって、お嬢様だしね


「私のアドレス、消さないでくださいね?」

「・・・・気が早いわね」


早くなんかないですよ

だってもう、あと少しで1年が終わろうとしている

彼女がここにいることだって、少なくなるのだから