『なあ、橘颯人の女、知ってるか?』


最初に彼女を知ったのは、友人のとある一言だった


その頃から人間なんてどうでも良くて、女なんか特に興味なし

ウザい

あの、身体を取り巻くキツイ香水の匂いや、まるでトーストにマーガリンを塗るかのように上乗せされるファンデーション達

気持ち悪い

逆に、吐き気がするわ

無駄に露出した肌だって、何なら全裸で過ごせば?って言いたいほど無意味に見えた


近づいてくる女全てが、そんな女ばかりだったから、俺は少しずつひねくれていったのかもしれない


ヤツのいう”タチバナハヤト”に対して、そんな女たちの相手なんてよく出来るな

ていうカンジで、ある意味感心していた


『あの男に、彼女なんているのか?』


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ヤツの噂は専ら女関係