考えていたら、どんどん暗い感情に覆われそうでとっさにヤツの質問に答える
『当たり前だろ。何でそんな今更なこと』
『だよなぁ。お前にはもったいないくらいイイ女だよなぁ』
そんなこと、俺が一番知ってるんだよ
大袈裟に溜息を吐く目の前の友人は、俺が浮気や女遊びを繰り返していることを知っていてそんな口を開いている
意外と周りにバレていないのは、言い方は悪いが、俺の友人と紅鈴のおかげなのかもしれない
・・・・紅鈴にバレてる時点で、何処にも良いことなんてないんだけどな
バレて、いなくても
どちらにせよ、俺のこの現状は好ましくない
だってさ
紅鈴が、俺の名前を呼ばない
笑顔をくれない
いつもみたいな会話だっていつの間にかなくなって
数ヶ月前まで見えていた君の悲しそうな、泣きそうなその顔だって今は無表情で
その姿はまるで、俺なんて興味がないといっているようなもので
怖かった
物凄く

