はぁ、とため息をついて体勢を整える。 ……そのとき。 臀部に違和感を感じた。 さわさわと、虫が走るような……。 ……これって、これって。 痴漢……!? ど、どうしよう! 入学初日から!? もうあの違和感は感じない。 だけど今のあたしはパニックになって、未だにお尻を撫でられている幻覚を見た。 言うしかない、よね? あたしは大きく深呼吸をして、大きく口を開けた。 そして、出る限りの声を張り上げた。 「こっ、この人痴漢ですーっ!」 「……は?」