リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・9

「そうですけど…」

「ならさ、籍は入れて、結婚式とか披露宴をお前が就職した後にすれば良いんじゃないか?」

「それは…」

確かにそれなら、二人の関係を表沙汰にしなくても済む。

「なっ? 良い考えだろう?」

「…先生、そんなに私と結婚したいんですか?」

「当たり前だろう? 愛してるんだから」

至極真面目な表情で言われると……断ることができなくなる。

「…じゃあ、それで話を進めましょうか」

「おっ。プロポーズを受け入れてくれるのか?」

「はい。私も先生のこと、愛していますから」

改めて先生と真正面から向き直って、今度は私から背伸びをしてキスをする。

「そりゃ嬉しいな」

「ですがとりあえず、大学入試が終わるまでは保留で」

「またかよ…。ああ、でも分かっているさ。じゃ、試験が終わったら、お前さんとこのご両親に挨拶に行かなきゃな」

嬉しそうに笑う先生を見て、私も笑みを浮かべる。

けれど心の中では、絶対に大学に受かろうと決意を固めた。

これで落ちたりしたら、絶対に両親に結婚を反対されるから。

前途は洋々とは言いにくいけれど、とりあえず先生との未来は明るいことが決定した。