リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・9

「まあそうですね。私の友人の何人かも、高校を卒業すると同時に結婚するコがいますから」

しかも中には出来ちゃった婚までいるんだから、生き急いでいるように思える。

でも私はそこまで熱くはなれない。

「んで? やっぱ結婚はイヤか? 同棲を先にしたいか?」

「別に同棲も結婚もイヤではないですよ。先生のことは好きですし」

「なら何でちゃんとした答えをくれないんだ?」

私よりも年上のクセに、拗ねた表情をしてくるのだから、可愛い人だ。

「金に不自由させないし、浮気もしないぞ?」

「知ってますよ」

教師という安定した職業をしているし、私に夢中なのは充分身に染みている。

「じゃあ何で焦らすんだ?」

「焦らされている先生が可愛いから、と言ったらどうします?」

「…振り回すなよ、大人を」

「冗談ですよ」

本当は半分、本気だけど。

最後の一冊を入れ終えた後、私は先生に寄りかかった。