どうやら無自覚だったらしく、先生はショックを受ける。

そんな先生の姿を見て、私は緊張がほぐれた。

「まあ私レベルの部員はたくさんいるでしょうが、せっかく顧問の先生から誘われたことですし、入部しますよ」

「おっ、そう言ってくれるとありがたい。でも言っておくが、あんなこと言ったの、お前さんがはじめてだからな」

僅かに顔を赤く染めながら弁解する先生を見て、私はついふき出してしまう。

「ふふっ、分かっていますよ」

「ちなみに俺から部員を勧誘したのも、お前さんがはじめてだ」

「それは嬉しいです」

「ホントだぞ?」

そんな軽口をたたきながら、私と先生は仲良くなっていった。

部活は楽しくて、先生に会えるのも嬉しくて、毎日があっと言う間に過ぎていった。

だけど二年の秋、次期部長に任命された時は流石に戸惑った。

でも先生が支えてくれると言ってくれたので、引き受けることにした。

けれど部長を引き継いでからというもの、やることなすことは思った以上に多くて、部室で居眠りしてしまうことが多くなっていった。