コンコン

「失礼します、先生」

「おう、入れ」

了解を得たので、私は職員室の引き戸を開ける。

引き戸の近くに、私のクラスの担任の席があった。

「はい、日直の日誌です」

「はい、ご苦労さん」

用が済んだらとっとと退散するのが、この職員室での決まり。

なので私もさっさと職員室を出て、いつもの所へ向かう。

私は科学部で、高校三年になった今は部長を務めている。

担任の先生は科学部の顧問で、いっつもお世話になっていた。

私は科学準備室で白衣を着た後、本棚の片付けをはじめた。

ウチの科学部はかなり有名で、一言で科学部と行ってもそこから部門がまた分かれていたりする。

生物を扱った部門や、機械を扱った部門などがあり、その活動は有名で、科学部に入る為にウチの高校に入ってくる学生もいるぐらいだった。

かく言う私も科学に興味があって、この高校へ入学してきた。

勉強は厳しくて難しいけれど、やりがいは感じる。