翌朝、不吉な厚い
黒い雲に覆(おお)われ
雷の音で目が覚め、
何気なくベランダの窓から外を眺める。

ピカピカ光る
稲妻(いなづま)と
暗やみが学園の生徒を不安にさせていくような。

嵐の様に強く吹き荒れ狂い木々を揺らす。

窓を強く叩く不吉な音…がより恐怖に誘い込むように…。

“ビュー”
“ガタンガタン”

“トントン”

ドアを軽く叩く音が、
振動を伝い耳に入って来た。

「はぁ〜い」

私は、
部屋のドアノブを下に下げドアを引く。
「あっ…おっおはようございますです…」

ピンク色の可愛い
くまのパジャマ姿の
かのんさんが、
少し思いつめた表情を
しながら私の方を見てきた。

「この封筒…菜月さんも
貰いましたか?
学園の生徒の嫌がらせにも思えたのですが」

かのんさんから、
手紙を受け取り私は中身を見た。
“学園の生徒に告ぐ
学園に危害を加えたのは、紛(まぎ)れもなく
水島 大季(みずしまだいき)

学園の生徒で、水島大季と付き合った人は不幸になるに違いない”



「これって…何処(どこ)で手に入れたの?」

かのんさんは、
首をかしげ不思議そうな顔を向ける。

「…学園のポストですが…菜月さんのポストにも入って居ると思ったのですが…」

私は…学園のポストに走った。

「なっ…菜月さん!?」

『学園のポストは…確か
一階に』

寮の一階にある学園の生徒専用ポストが真横に並んでいる、
私の名前が書かれた
ポストを開けると
中に、
かのんさんが見せてくれた封筒が。

他の生徒のポストにも、
同じ封筒…。
私は入れられた封筒と同じ物を大量に回収し、
学園の事務所に向かった。