男性は痛みに、
少し苦しそうな顔を。

男性はかすかに、
私の方を見た気がした。

でもすぐに、
横を向いてしまう。

「…僕に手当てをしてくれたのは、あなたですかっ…」

顔を合わせてくれないけど、私に言った気がした。

「はいっ…、
ごめんなさい、
血が出ていたみたいだから」

「ありがとう…、でも、
もう僕には関わらない方がいい…」

男性は、
痛みをこらえて居るのか、少し震えながら
ふらふらと立ち上がり、
ゆっくり歩き、
壁づたいに手をつき、
離れていく。

私は気になっりつつも部屋に行く事にした。


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