そんなことを心の中でボーっと想っていると、トントンと肩を叩かれた。
「井本さんっ!」
「は、はいっ!!」
「アハッ!そんな緊張しないでよー。」
彼女はふんわり柔らかく笑った。
まるで、天使のように。
「あたしは萩野スミレ(はぎの すみれ)!ずっと話してみたいと思ってたの!!よろしくね!」
「スミレちゃん…」
すごくきれいな名前
「ヤダ!スミレちゃんじゃなくて、スミレでいいよ!」
「じゃあ、スミレって呼ぶね!」
「うんっ!あたしもサクラって呼ぶから!」
私に今日、とても素敵な友達が増えました。
スミレは明るくって
社交的で。
私じゃ全く進まなかった春風祭の話もどんどん進めることができた。
そんなある日…
私はいつもと同じように、お弁当箱を持ってスミレの席まで行く。
「スミレ―!ごはん一緒に食べよぉ?」
「うんっ!」
今じゃ、クラス1の仲良し。
「そういえばさ、サクラは好きな人とかいないの?」
「ぶっ!!ゴホゴホッ!!!」
「ヤダ―、サクラ汚い!!」
「ご、ごめ…。急にスミレがそんなこと聞いて来るから、びっくりしちゃって」
紅茶を拭きながらハハッと軽く笑ってみる。
言うべきなのか
言わないべきなのか
…遥翔のことを好きだって、知っているのは美羽だけ。
言ったら…どうなるの?
でも、言わなくてもどうなるの?
どっちの選択肢の答えも、分からない。
だけど、嘘はつきたくないな……。
「ス、スミレは!?そういうスミレは好きな人いないの!?」
「えー、あたし?……いるよ、好きな人。」
顔を赤く染めながら、スミレは頷く。
恥ずかしそうに目を泳がせ、無意識に髪を耳にかけてる。
…そんなに好きなんだ。
いいな。スミレ…今のスミレ、すごいかわいい。

