遥翔の香りに包まれて。
私は深い深い夢の中へと堕ちて行った____。
『なに?お前も俺のこと好きなの?』
な…なんなの、この光景……。
ここは、学校の体育館うら?
遥翔…なにを言ってるの?
『なら、もういらね。早く普通科に戻れば』
遥……翔……?
『じゃあな、井本』
_____…
「いやぁあああ!!!」
__バッ!!
「どうした、サクラ…?」
「…っ、はぁ…はぁ……」
自分の叫び声で目を覚ました。
「遥翔……」
「お前、驚かせんなよ。HR終わって来てみりゃ、俺のベットで寝てるし。
あまりにも爆睡してっから起こせねぇし。最後には叫んでお目覚めかよ」
呆れながら私を見て笑う彼に
安心した反面、心はひどく疲れていた。
「ごめんね…」
「別にいいけどな。俺、今から仕事あるんだ。それまで待っててくんね?家まで送る」
「えっ、いいよ。1人で帰れるし。…あれ?みんなは?」
「もう9時」
遥翔は親指を立てて時計を指差した。
「わっ、ホントだ」
「ってことで、大人しくしてろよ」
そう言うと、遥翔はデスクに戻って行った。
…真剣な顔。
それほど大事な資料なんだろうな。
遥翔…普段意地悪で、不真面目で
服装だって到底お坊ちゃまになんて見えないけど……
こういうの見てるとやっぱり、世界が違うって、思い知らされてしまう。

