「サクラ、危ねぇ!!」
「へ…?」
遥翔の声で我に返る。
ハッとしてから目に移りこんだのは、透くんが私に水鉄砲を向けている姿。
え!?う、嘘!!
濡れちゃう!!
今日に限ってシャツ着てきてないのに~!!!
とっさに目を瞑ると、なにか温かいものに包まれた。
__バシャっという水の音をかき消すように
「「「きゃああぁぁぁあああ!!!」」」
女の子たちの悲鳴にもにた叫び声が脳を突き刺した。
あ、あれ…?
水鉄砲で撃たれたはずなのに、全然冷たくない。
むしろ、温かいくらい。
しかもなんで……私の視界、真っ暗なの!?
「サクラ、濡れてねぇか?」
頭上から聞こえる遥翔の声。
なんで…?
そう思ったけど、そのことを理解するのに、時間はあまりかからなかった。
上から徐々に視界が開けて、明かりのあるほうを見ると、濡れた髪を靡かせる遥翔の顔。
あ…。
私が濡れてないのは、遥翔がかばってくれたから。
温かったのは、遥翔の体温だったんだ……。
「遥翔、ありがと。私は大丈夫」
そのことがすごく恥ずかしくて…。
私は俯いたまま、遥翔の体を離す。
そして、俯いたままイチゴ柄のタオルを差し出した。
「なんだ、お前タオル持ってんじゃん」
「う、うん…。ごめ、すぐ出さなくて」
「別に。さっき出されてたら今ので濡れてるしな」
そう言って遥翔はタオルで髪をザッと拭いた。
可愛らしいタオルと遥翔がとてつもなくミスマッチ……。
でも、そのタオルが私ので
使ってくれたのが遥翔で、内心、すごくうれしいことは私だけの秘密。

