うわぁ~…。
遥翔、怒ってるかな。怒ってるよね。
超怖いんだけど。
今からでも引き返せるし、タオル無かったってことにしちゃう!?
…あ、でも、そしたらもっと怒られるか。
うわーんっ!
もう行くしかない!!
長い廊下を先生に怒られながらも走ると、さっきまで遥翔といた場所に人だかりができていた。
もしかして…あれ……
「遥翔!?」
大声で遥翔の名前を呼ぶと、人だかりに道が開けた。
真っ直ぐ見えるのは、いかにも不機嫌な遥翔の姿。
うわ…やっばい!
女の子たちに囲まれる&タオル係遅れる
って……最悪だぁ。
「サクラ、遅せぇんだよ」
「ご、ごめん…」
「俺、ずっとびしょ濡れのままだったんですけど」
「う゛っ…」
ホントだ。
遥翔、髪も服もビショビショ……。
でも、なんで?
「遥翔様~、これ使っていただいてもよかったのにぃ」
甘ったるい、語尾の気になる声で、口々にそうタオルを差し出す女の子たち。
私のイチゴ柄のタオルなんかより、何十倍もふかふかしてて、何千倍も遥翔にお似合いなタオル。
私のは、セールのタオル。
くらべものになんないや……。
私はそっと、差し出そうとしたタオルを自分の後ろへとひっこめた。

