ぷくぅっと頬を分かりやすく膨らませ、遥翔からフイッと視線を逸らす。
___ドキンッ!!
え…
な、なに……___?
不意に…頬に添えられた
大きくて、力強い……そう、あなたの手。
遥翔は、ゆっくりとあたしの顔を自分と向き合わせた。
胸の鼓動が速まる。
息も……切ないくらい苦しい。
……なんで?
「ごめん…。んな、怒らないでくれよ」
弱々しい遥翔の声と、その哀しそうな表情が
……私の心の底までくすぐる。
こんな感情は、初めてだ。
「…怒ってない、よ。」
心なしか、声が震える。
遥翔に触れられているから……?
それとも、
遥翔の目が私を捕えるから……?
どちらにしても、この感情はなんだろう?
「笑って、サクラ」