「遥翔…どれだけ私を傷つけるの_?」
来るな
その意味は、なに?
「遥翔の1言で。たった…1言で。一喜一憂してしまうんだよ、私。なのに…っ!なのに、期待なんてさせないで!!」
前髪をくしゃりと握り、俯きながら私は叫んだ。
遥翔の顔なんて見れなかった。
スミレなんて、顔を合すことさえもできない。
……恋愛なんて、醜いね。
「…サクラ」
「ごめん。…頭、冷やしたいから」
今はもう、2人の顔を見ていられない。
2人が付き合っている時以上に、一緒にいるのが辛くてたまらない。
私はスミレを裏切った。
そんな私に傷つく権利なんてないはずなのに。
もう、自分自身でさえも
何をどうしたいのか、どうするべきなのか。
見当もつかない。
私はそっと、短く息を漏らしてから背を向け、この場を後にしようとした。
垣間見る様に見えた、スミレの顔。
……怒りに満ちていた。
私は見た瞬間、出て行こうと進めていた足が動かなくなってしまった。

