追いかけても
追いかけても
手の届かに人だって、そんなことはもう分かってる。
でも、でも……
今、この走っている足を止めてしまったら
もう2度とあなたを見つけ出せない気がして
広すぎる校舎の中、必死にあなたの背中を探し追いかけた。
南校舎の渡り廊下。
窓からちょうど高そうな黒い車の前で遥翔を見つけた。
「…遥翔っ!!!」
最後で…いい。
もう、「好き」って、想わない。
だから、最後に話がしたい。
生徒会の秘書として
彼女(スミレ)の友人として……。
「……」
なにも発さず、ゆっくり振り向く黒い影。
西日が眩しくて、あなたが見えない。
でも、黒い影さえも、愛おしいの…。
「…遥翔」
つい零れてしまうあなたの名前。
当たり前のように呼んでいたのに、今はそれだけで胸が熱くなる。

