「昼飯、それだけ?」
「え?」
唯は、私の紅茶を見つめた。
「うん。なんか、食欲わかなくって」
「ちゃんと食わなきゃ、倒れてもしらねーぞ」
「え…これ」
唯はぶっきらぼうに言いながらも、私にパンを渡した。
「俺の昼飯」
「そしたら唯のご飯が…」
「の、残り。だから安心しろよ」
唯は困惑する私を見て、少し眉を下げて笑った。
「昼休み終わるまで、ここいていいか?」
「…いいけど…。」
なんで?
そう、付け足そうとした私の声を、唯は遮るようにかぶせた。
「アンタがちゃんと食うか、見てなきゃな」
子供っぽく
意地悪に……唯は、優しく笑った。
私はその瞬間、涙が溢れて止まらなかった。
これは全部、唯の優しさだと
気づいたから。
不器用で
誤解を招くような
唯の態度も。
今の私にとっては
とても安心できる。
「唯…」
「ん?」
「…ありが…っ、とぉ……」
涙で上手く話せない。
大粒の雫のせいで、顔がぐちゃぐちゃ…。
ホントはこんな顔、誰にも見せたくないけど
唯の前で、私はパンを握りしめながら泣いた。
__人って、こんなに温かいんだ…。
改めて、そう感じたんだ。

