聞いていたらしく、パタパタと騒がしくこっちに駆け寄る。


「海?海いくの!?海いったことない!」

「行くなら、二人で行ってくれば。廿楽が海の家って所でバイトしてるみたいで、見つかったら面倒だし…。」

「んじゃあ、哀河が廿楽と居る間、俺と弟で遊んでよーぜ。」


行く方向に話が決まっていく。それに、多数決だと私は圧倒的に不利。

弟は更に目を輝かせてしまっている。


「昼の女子と一緒に行くんじゃないの?」


口に出してから、後悔した。

なんか立ち聞きしたみたい。いや、実際ちょっとだけ聞いたんだけど。聞いちゃっただけなんだけど。