「…うん?」

「哀河。」

今、すごく大きい音がしたんですけど。多分、みんなの視線がこっちに向いてるんですけど。

何ですか有岡クン。

驚いて、目を見張る。


「けじめ。」

「…え、何?」

「けじめつけたから。」

有岡の片頬だけが赤かった。誰かに叩かれたのだろうか。見てるだけで痛、


「…もしかして、」


予鈴が鳴った。先生が教室に入ってくる。

由比さんに?

有岡が自分の席に戻っていく。不意に廿楽を見ると、廿楽の視線が有岡に向いていた。

…何なんだろう。