私のじゃない。となると、有岡以外にはなくてリビングの方を見る。

乾かされた服の上に置かれた黒い携帯が持ち主を呼んでいる。

手を拭いて、それを見ると携帯の背に『喜美』と出ている。女性の名前。

持って脱衣所の扉を開けると、弟の髪の毛を拭くまたしても上半身裸の有岡が居た。

「はい、携帯鳴ってる。」

「…あ、うん。」

何に驚いているのか、固まった表情で返事をする。

気にせずに携帯を渡して、脱衣所を出た。洗い物を再開する。

二人が出てきて、テレビの前を占拠した。