不良の有岡について。


お待たせしました、と深沢さんが現れた。


「本当に良いんですか?」

「大丈夫ですよ、私にもこれくらいの孫が居るんです。あまり会えないので、今回のこと楽しみにしてたんですよ」


にこにこと笑うその顔を久しぶりに見た。

俺の世話をするのも、多分あと数年だろうし、こういうのあっても良いと思う。


「楽しんで来いよ」


しゃがんで弟の目線に合わせる。

うん! と大きく頷く。よし、哀河に似て良い子に育った。


「ちゃんと深沢さんの言うこと聞いてね。勝手にふらついちゃ駄目だからね」


哀河と指きりをする。はーい! と…うん、本当に返事は宜しい。