もうそれを掘り返すことはしないけど。
その話に関して、廿楽と解り合える日はきっとこない。
「俺はちゃんと止めたからな。廿楽が勝手に飛び出しただけで」
「分かってる。でもムカつく」
怒田は人間が良い。だからきっと哀河と廿楽と一緒に居られた。
廿楽は哀河から離れそうも無かったので、俺は怒田と教室に戻ることにした。
途中怒田の部活仲間に何人か会った。
「怒田ってかなり友達多いよな」
「あれは部活同じだからな。それにお前には負けるよ」
教室に入ると、席の近い女子と男子と少し話して、机に突っ伏した。
「えー、有岡寝ちゃうの? つまんなーい」
「疲れてんだろ、静かにしてよーぜ」



