「まあ、二人だけの家族だしね」
今日は廿楽が居ないらしく、非常階段でコーヒーメロンパンを食べていた哀河を見つけた。
哀河の両親は健在らしいけど、その存在を認めていない。
だから、二人だけの家族。
「そういえば、話変わるんだけど。今週の土曜日、深沢さんと弟、動物園行く約束したらしいな」
「聞いた聞いた、けど…大丈夫かな」
「深沢さんの方は、いつも俺の面倒ばかりみてるから小さい子に元気を貰いたいって言ってた」
「有岡の面倒って」
クスクスと微笑む。本当に俺の彼女、あんまり笑わないけど、笑うと可愛い。



