さっき、姉貴が「負い目」と言ったのは、きっと喧嘩相手の親とか子供に対してとかではなくて。 哀河が負い目を感じているのは、弟に対してだ。 哀河家に居ないのは哀河の所為でも弟の所為でもない。それでも、哀河は自分の所為だと色んなものをその薄っぺらい肩に背負っている。 「哀河」 俺の声に哀河は振り返った。 それでも、俺は、哀河の家の人間ではないから出来ることは少ない。 「今日の夕飯、親子丼が良い」 翌日、弟を迎えに行ったら、けろりとしていた。