不良の有岡について。




既に園を出ていた哀河と弟を追いかける。

哀河の後ろをトボトボついていく弟の姿が哀愁漂う…じゃなくてなんて言うんだこういうの。

いつもは繋いでいる手が離されているのは、かなりの違和感がある。

それでも哀河は歩調を緩めないし、弟はアスファルトを見つめたまま歩く。

多分俺じゃなくて哀河と繋ぎたいだろうけど、と手を差しだす。


「繋ぐか?」


顔が上がる。俺を見てから、心もとなく首を振る弟。

そして再度アスファルトへ戻る。

弟の隣を歩く。

俺よりも小さいはずの哀河の背中を見て、少しだけ怖いと思う。