不良の有岡について。


これは今日はもう来るなっていうことだろうか。


「負い目を感じちゃうのよ。お姉ちゃんはお母さんじゃないから」


後ろから姉貴の声がした。振り返る間もなく、隣に並ぶ。

負い目、と頭の中に言葉が浮かんで消える。


「ほら、さっさと追いかけなさい」

「あ、うん」

「本当に好きなら、ちゃんと考えなきゃだめよ」


背中を叩かれる。結構強い力で、結構痛い。

よろけながら前に出た。


「何が、誰の為になるのか」