「なんで、私の中学の時?」
首を傾げるつもりはなかったけれど、傾げてしまった。
怒田は苦笑いをした。
知ってたら最初に話してる、という顔。
中学って、どうしてだろう。私、何か言ったっけ。
わざわざ中学の時のことを掘り返すのは、何かが知りたかったからか。
「フツーだったって答えた。哀河と、俺は高校になってからちゃんと話したし、当時、俺はなんも関わってないのに他人の家庭事情ベラベラ話せねーから。」
「…うん、ありがとう。」
「ありがとうじゃない、普通なんだ。」
懐かしいけれど、思い出したくない。
中学の時も、私は他人に無関心だった。家のこともあって、特に中学校では酷い態度を取っていたかもしれない。
怒田は、同じクラスだったけれど、噂になる私のことを遠巻きに見ていただけ。



