―――だというのに。 「ちょ、有岡!」 「怒田止めとけ馬鹿!」 昼休みが終わって予鈴が鳴った。 早歩きで廿楽と教室に戻ろうとして、廊下で聞えた悲鳴。 呼ばれた名前は、紛れもなく彼等で。 「あの馬鹿達何やってんだろ?」 廿楽が首を傾げる。 さあ?と返して呑気に教室に入る。 そこは、例えるならば戦場。 机が倒れていて、椅子が数個飛ばされている。 「何…?」 口から言葉が落ちる。