不良なのに先生やクラスメートから好かれているのは、その人懐っこい笑顔があるからだろう。

私はそれを認めるけど、賛同は出来ない。

貰っても、それ相応のものを返せないから。


「それが、ついてきた理由。」


予鈴が鳴った。

私も有岡も立ち上がる。

午後の授業は体育だった。


「じゃあね。」
「じゃあな。」


それが、交錯することの無かった私達の最後の会話だった。