ベンチから立ち 走り去ろうとする。 「おい、まてよっ!」 だが勢いよく手首をつかまれる。 「もう、終わりにしませんか。」 いつもとは違う私の低い声に 驚いたのか 先輩はつかんでいた手を 緩める。 「ごめんなさい」 それだけ言うと私は 先輩のそばから離れた。 そして一礼をしてから 山下君のクラスへ 一目散に走っていった。