引っ張られて連れてこられたのは 人気のない裏庭。 影で山下君の表情もあまりよく 見えない。 「…ねえ……山下君…? どうしたの?」 そう聞くと山下君は急に 校舎の壁にドンっと私を押し付けた。 一気に顔と顔の距離が近くなる。 妙にドキドキする。 久しぶりのこの香水の香り。 私が山下君を好きだったころを 思い出す。