「今は、俺だけを見てて・・・・・・」 「・・・・・・・・・・っ、!」 そう言われたと同じくらいに、私は全身の力が抜けた。 「一回休む?」 息を吐いた。 心臓が高ぶる。 「・・・・・・あか、が見えた・・・・・・・」 悠の顔を凝視した。 「・・・・・・赤・・・・・・・?」 「そう、赤・・・・・・・・」 悠は笑った。 「断片的な記憶だね。そうだよ、志津は“赤”を見た」 「っあ、・・・・・・・・」 ぐい、と悠が私の足を掴んだ。