「貴様は誰だ、」

襲った男達を倒し、頓所に戻ろう
としたとき、また別の男が現れた

黒地に大輪の牡丹
黒髪は長く、緩く縛られた
いかにも軟派、歌舞伎者風な装い

しかし、彼の目の光からは

…まるで、鷹か、獅子

「私より貴方は?」

平然と答える

「織田信長」

ニヤリと笑い答えた

「安倍鈴太郎」

こちらも同様にニヤリとした

「互いに違う時間を生きた者か、
…しかも女だてらに
俺の女とおなじだな…」

そう、ふっ、と笑った