この子は 桃城 まどか。 小学校からずっと一緒で 私の一番の親友。 すごくかわいいのに 全然気取ってなくて優しい 私の自慢の親友なんだ ゆるく巻いた栗色の毛先を 揺らしながら まどかはまだ文句を言っている 「ごめん、ごめん 考え事してたから」 「葵の場合は考え事じゃなくて“妄想”でしょ?」 「違うもん! 想像してたの、 王子様みたいな人が現れない かなーって。」