「えーいよいよ明日から夏休みだ。」



あれからあたしたちは、上辺だけの偽関係じゃなくなった。



もちろん周りにはなんにも変化はない。



優斗も...なんとも思っていないと思う。



けど、唯一あたしは


本当に優斗はあたしの彼氏だって。



心の中でそう言い聞かせるだけで安心できるようになった。





「しかし、お前ら1年にとっては!初の夏休みだ。気を抜かないよう!夏季勉強対策期間だと思え!!!........」



そして気がつけば、明日から夏休み。


あたしは額の汗をくっと拭って


机に顔を伏せた。


...先生の言葉なんて、まるで耳に入らなくて


ただただ暑い日差しを恨むのみ。





「美姫~!!」

「わっ!!...奈々!!びっくりしたぁ」


気がつくとクラスメイトは既に下校し出していた。


「楽しみだね~!!」

「えっ?」


...何が?


あたし...奈々となんか計画立てたっけ?


あたしが口を半開きにしていると


「いったぁ!....」


奈々がむにゅっとあたしの頬をつねった。