『ガラ』


「優っ...斗...?」



保健室に勢いよく入ったあたしだったけど...


「あっ優斗くんっ♪美姫ちゃんきたよぉ」


「...美姫!」



....なんで?


ベッドに横になりながらあたしを見つめる優斗の横には...


「早くおいでよっ美姫ちゃん!」


と....何故か宇佐美さんが座っていた。



「...うんっ」


あたしはとりあえず優斗に駆け寄った。



すると...


「宇佐美っ」


渉君がドアの前で宇佐美さんを呼んだ。


「あっうん...」


そして手招きされ、宇佐美さんは少し嫌々ながらも


渉君と廊下に出て行った。




「優斗...大丈夫?」

「ん-大丈夫。見つけてやれなくてゴメン」

「ううん。優斗は悪くないよ。あたしこそゴメンネ」


あたしは優斗の手を握った。



優斗は優しく微笑んでいた。



....ドキンッ。



「そういえば...」

「ん?」


優斗が「あっ」と思いついたように声をあげて


じっとあたしを見つめた。


....ドキンドキン...


見つめられているだけでドキドキする。



「用事って...なんだったの?」