「優斗くんっ!」


突然宇佐美が大声を上げたかとおもったら


廊下を指差した。


「今っ美姫ちゃんが来てたような...」


そしてそういったあと、俺の目をじっと見つめてきた。



んだよ!

コイツ。


俺は「ありがとな」とそれだけ言い残し


廊下に出た。



すると前に美姫が走っていて



俺は呼び止めた。




「...優斗」


俺の声に気づいて振り返った美姫は


また朝に戻っていて、暗かった。



...もしかしてコイツ...



俺が宇佐美と話してるのみたのか?




そのあとも俺が話かかけてもぼおっとしておかしい様子の美姫。



俺は絶えられなくなり、美姫を連れて屋上に向かった。






隣に腰掛けたけど、相変わらず何にも喋んない。


あーぜってぇこいつ、なんか不安になってる。


ふと見た美姫は、真っ白い肌に頬がすこし赤く染まっていて


大きな瞳はいつになく涙目だった。



屋上にいるせいか、風で髪は乱れている。



...んな顔すんなよ。