『ガシャン』


自転車置き場で美姫を降ろし

自転車を止めた俺と美姫は並んで


校舎に歩き出した。



....ってか、なんでこんなに大人しいわけ?




俺のせいか?


っ冗談じゃねぇーし。


靴箱で靴を履き替えたとき美姫がようやく口を開いた。


「優斗...」

「ん?」

「私たちって付き合っているよね...?」


...は?


イキナリ何、コイツ。

「じゃなきゃなんで一緒にいるんだよ...」

「帰り...一緒に帰るんだよね?」

「退学してーなら別に帰んなくてもいいけど」



俺がそういったのを確認すると


美姫はほっとしたようにため息を付いた。




....なんなんだ?


マジ意味わかんねぇ。


「何で?」

すると美姫は俯きながら答えた。


「優斗の彼女にふさわしくないから...不安になっちゃって...」


はぁ....?


「俺も一応普通の人間なんだけど」

「へっ?」

「美姫に俺がどう見えてんのかは知らねぇけど、ふさわしいとかふさわしくないとかそれは俺が決めること」

「....優斗」

「俺はお前を変に思ってない」


俺がそういうと、美姫は口角を上げて


大きな目を少し細めて笑った。



「ありがとう。変なこと聞いちゃって、ごめんね」


そしてそういうと歩き出した。


ったく...単純な奴。




けど...先を歩く美姫についてくのは俺らしくねぇと思いながらも



口元が緩んでいる俺がいた。