「こっ...ここです」


家の前で私はくるっと振り向き笑いかけた。



優斗はポケットに手を突っ込み



私の家を見上げた。



どこにでもあるような



ごくごく普通の一軒家。



「ふぅん。近いじゃん」


「へっ?」


「俺んち、ここの通りのすぐ裏だから」


「そっそうなの!?」


「あぁ」


「知らなかった....」


普通、こんなイケメンが近くにいたら


毎日女の子たちが後を絶たないだろうし...


だけどそんなことに気づかず生活してきた16年間。


私ってば...どんだけ鈍感...



悲しくなりながら、もう1度優斗を見上げた。


「毎日送り迎えするってのに、遠かったらどうしようかと思ったから。よかった」



すると優斗はそういい


軽く笑った。



....ドキンドキン。



優斗の自然な笑顔になぜか胸は高鳴った。



「んじゃまたな。なんかあればメールする」



そういうと優斗は帰っていった。


「あっありがとう!!」