心地よいリズムで歩数が合う。




隣を歩く優斗は 変わらず仏頂面。



もうっなのなのよ!


仮っちゃあ仮だけど...

こんなんじゃ 全く恋人なんかじゃないじゃない!!




そのうえ通り過ぎる人は...

「池上優斗カッコイイ~!」
「だけどさ、隣の女邪魔!」
「可愛いからっていい気になって!」
「そうよ!ちやほやされるのは今だけ!」



は...?


確かに、私は完璧王子の優斗になんか



釣り合わないことくらい承知の上。



だけど...”邪魔”って酷くない!?


わっ私だって、スキで隣にいるわけじゃないもん!

しかもっ”可愛い”だなんて想っているわけないでしょ!


可愛かったら隣にいるのなんて苦痛にならないでしよ、普通。




....はぁ。


でももう、やめよう。


いくらそんな風に想ったって、きりがない。



私はシュンと肩を落とし、優斗の一歩後ろを歩く。





「あっわっ!痛っ!」


何事か、突然優斗が止まったから


勢いよく私の顔面は優斗の背中に直撃。


その勢いで、体のバランスを崩しその場に転んだ。


かぁ~...鼻折れる!!