今度こそ瞳を開けると猫耳の少年が私を覗き込んでいた。


「…あれ?まだ夢の中?」

「はぁ?寝ぼけてんなよ。現実だ現実!」

「――ききき、君…っ!」

「んぁ?」


跳ね起きて距離を取る。
思わず指した私の指の先で猫耳くんは眉間に眉を寄せて偉そうに腕を組んでいた。
なんだか寝ている時とだいぶイメージが変わったような。


「君、なんなの?」

「俺?ハッ…別に俺がなんだろうとお前に関係ないだろ」

「…」


いや、そうだけど。
可愛くない。
さっきまでの驚きやせっかく手当してあげた私の時間を返してほしい気分だ。


「まぁ、いいけど、具合はどうかな?」

「別に」

「…そう」


ぷいっとそっぽを向かれる。
大丈夫そうだと瞬時に思った。


…が。